dendecdenの家

知らなかったことや思ったことを書きます

Quantum Espresso の使い方!

 ---注意---

 当ブログ筆者はQuantum Espressoのチュートリアルをクリアできた程度の知識なので、シミュレーションデータの正確性などの物性に関する質問には答えられません。

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1. 参考資料

参考にしたブログを紹介します。

・インストールからチュートリアルまで

www.cmpt.phys.tohoku.ac.jp

QEの詳しい参考資料

 


 

・インプットファイルの作成や、QuantumEspressoとBoltzTrapの連携など

gomisai.blog75.fc2.com

2. 目的

Quantum Espressoが実行できたので、その方法の記録。

当ブログ筆者は工学部だが、半導体等の電子物性解析ソフトに触れてみたかった。

 

3. 実行環境と準備 

 実行するPCは、可能な限り多い計算スレッドと大きなRAMが良い。特に、RAMの容量によってはエラーが出てしまうので注意。

・使用したPC

CPU   : Xeon e3-1240 V3 (4C 8T 3.4GHz)

RAM  : 16 GB

GPU   : GTX650

OS     : Ubuntu 18.04.5 LTS (64 bit)

HDD  : 500 GB

 

---< 追記, 20201108>---

Quantum Espresso 6.5でビルド失敗( Ubuntu 20.04 LTSでも失敗)

スクリプトの構文ミスが原因かも。

QE 5.4 を使う

 

 ・事前に必要なこと

Quantum Espresso本体のダウンロード

https://www.quantum-espresso.org/download

解凍(展開)して適当な場所に置く

(今回は"q-e-qe5.4"のファイルで、置き場所は"/home/a/hatena_QE/")

 

f:id:dendecden:20201024220751p:plain

ビルド用のアプリをapt-getで入れる

$ sudo apt-get update

$ sudo apt-get upgrade -y

$ sudo apt-get install build-essential 

 

4. Quantum Espressoのビルド

  オプションはQEのマニュアルを見て適時追加。当ブログでは動けばいいのでオプションを追加しない。

 cd でq-e-qe5.4ファイルに入る

$ cd /home/a/hatena_QE/q-e-qe5.4

コンフィグ設定を行い、ビルドする。

$ ./configure

$ make all

 ビルドオプションも存在し、指定したパッケージのみをビルドすることができる。今回は"all"としていて、QEに含まれるすべてのパッケージをビルドしている。

ビルドは数十分かかることもある。

 q-e-qe5.4ファイル内の"bin"を見ると、計算用の実行ファイルが作成されている。

 

f:id:dendecden:20201024220916p:plain

 

---"make all "で error がでた場合---

・Quantum Espressoファイル内で"make clean"を行う。

これで、先ほどの"make all"で作成されたファイルが削除される。

原因と解決方法として、

・build-essentialを入れていない 

$ sudo apt-get install build-essential をする

・Quantum Espressoファイルを権限がないところに入れた

(ファイルを/home/<ユーザー名>に移す)

・OSでHDDデータ操作がロックされている 。

再起動する 

・OSのインストール自体が失敗している。

再インストールする

 

が考えられる。特に、VirtualBoxでは下2項目が生じやすい。

これでも解決しないのなら、当ブログ以外で調べてほしい。

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errorが出ていないなら、ビルドが成功している。

 

f:id:dendecden:20201024221003p:plain

5. パスを通す

 作成したファイルにパスを通す。

/home/<ユーザー名> の.profile か.bashrcをテキストエディタで開く。見当たらない場合は、ファイルマネージャーウィンドウ内で右クリックして、「隠しファイルを表示」をチェック。

f:id:dendecden:20201024221333p:plain

 .profile (.bashrc )の最下行に以下の文を追加する。

export PATH=$PATH:/home/a/hatena_QE/q-e-qe-5.4/bin/:

export PATH=$PATH:~/: が既にあるのなら、その後ろに /home/a/hatena_QE/q-e-qe-5.4/bin/: を追加。

 

 6. チュートリアルをやる

  1.参考資料にリンクがあるので、ぜひやってみよう。ここでは、当ブログ筆者の失敗例を紹介する

・peseudoファイルの参照を間違えた。

 .inファイル内の項目 &control 内

peseudo_dir = '../peseudo/' ,

赤文字部分を、ダウンロードしたpeseudoファイルのあるパスに書き換える。次に、

ATOMIC_SPECIES
C 12.0107 C.pz-van_ak.UPF

赤文字部分を、ダウンロードしたpeseudoファイル名に書き換える。

 

・計算が最後まで実行されない。エラーログを見たら、” Too many bands are not converged from nscf calculation”と書いてある。

nscf計算で多発した。RAM容量が足りないときに生じる(要検証)

よくあるエラーなので、次の解決法が知られている。

  • &system 内の ecutwfc を増やす。(例 ecutwfc = 60 から ecutwfc = 160)

  • &electron 内の conv_thr を減らす。(例 conv_thr = 10d-14 から conv_thr = 10d-8)

 参考:

http://www.democritos.it/pipermail/pw_forum/2011-September/022049.html

 

続きを読む

FreeCADで設計図をつくりたい

FreeCADで設計図の日本語テンプレートが見つからなかったので作りました。

 

別にFreeCAD専用というわけではなく、そのままでも使えます。

ファイル形式はSVGです。

<注意>

  • 寸法が適当なので、生じた不都合や問題については自己責任。
  • FreeCAD用ですが、Inkscape などで編集することを前提としています。
  • FreeCADでテンプレートファイル参照時、日本語フォントを含むファイルを参照するとエラーが発生します。
  • なので、ファイルは日本語フォントを使わないやつに、リネームしてください。

 

 

FreeCAD用日本語テンプレ(A4)

https://github.com/denyoru/Japanese-Blueprint-Template-for-FreeCAD

 

f:id:dendecden:20190908192703p:plain

 

 

<感想>

 そもそもFreeCADで立体表現できるので、このファイルいりませんね!??

 

 


 

FreeCADで解析用メッシュを作るときに困ってたこと

困ってたこと

⑴ ElmerGUIがFreeCAD出力のSTEPファイルを読み込めなかった

⑵ FreeCADでNetgenメッシュを作ったが、これを出力できない

解決策

 FreeCADのFEMツールでGmshを作り、ファイル名に日本語を含まずにファイルの種類「FEM mesh formats」でエクスポートする。

動作環境

 ・Windows10

 ・FreeCAD 0.17

参考

 

www.youtube.com

 

 

方法

1 FreeCADで3Dモデルを作る

 参考元の動画(2:17~2:34)はいろいろやっているが、意味はわからなかった。

(バグ対策かも?)

 

2 Gmshを作る

 ツールを「FEM」にする。3Dモデルを選択(クリックして光らせる)し、

 f:id:dendecden:20190818202813j:plainボタンを押しGmeshを作成開始。

f:id:dendecden:20190818202539j:plain

 メッシュ設定の「Max element size」、「Min element size」に数値をいれ、メッシュの細かさを指定する。数値が小さいほど細かくなる。

※[Max 5.000mm、Min 0.00(=自動設定)] がおすすめ。

 

f:id:dendecden:20190818202603j:plain

「Apply」を押すとメッシュ作成開始

 

f:id:dendecden:20190818202635j:plain

 

(注意) メッシュを細かくし過ぎると、負荷、使用メモリ容量が大きくなり、フリーズする。この時、慌ててFreeCADを落としても、メッシュ作成は外部のソフトなので動き続ける。なので、タスクマネージャーから「Gmsh」をタスクキルすること。

 

3 メッシュをエクスポートする

 メッシュを選択し、「ファイル → エクスポート」でエクスポートする。

 ファイルの種類を「FEM mesh formats」にする。

f:id:dendecden:20190818202919j:plain

 (注意) この種類のファイル名に日本語を使うとエクスポートが失敗するのでつかわないこと。(成功するときもあるが、ファイル名は文字化けする)

 

結果

 エクスポートしたメッシュデータは、そのままElmerGUIに使える。

 Gmesh作成機能はFreeCAD 0.17以降なので注意。

 

 感想

 英語ができたらこんなに苦労はしなかっただろう…