1. エネルギーとしての電気
エネルギーの単位はジュール[J]といい、エネルギーを用いて何かをすることを仕事Wといい、単位は[W(ワット)]といいます。このとき、JとWの関係は、(1)式で示されます。sは1秒単位の時間を示します。
W = J × s (1)
つまり、エネルギーを使った時間sにより、仕事Wは決定するというわけです。
次に、電気による仕事Wは電圧Vと電流Iを用いて、
W = V × I (2)
で示されます。
さて、一般的に電力を量り売りする際には、電力量としてやり取りします。単位はWh(ワットアワー)です。電力量は、次のようにして計算します。
電力量 = W × h = W × 3600s (3)
(2)式内のhは1時間単位の時間[hour]を示し、1h =3600sということですね。最後に、(2)式を(3)式に代入すると、
電力量 = V × I × 3600s (4)
となり、つまり電力量とは「一定の電圧と電流を1時間当たりで加えた量」となるわけです。
2. 太陽光発電に求められること
電力量が発電する時間によっても変化してしまうことが理解できたと思います。
太陽光パネルの性能をカタログで見ると、ワットW表記で示されているものが多いのです。しかし太陽光パネルの特性上、出力される電圧は一定ですが、電流は光の強度で変動し、発電時間は光の照射時間で変動します。なので、カタログ値どおりの発電はほとんどできません。これらのことから、最高な太陽光発電に求められる要件は2つとなり、それは快晴であることと、そんな日が多いことです。
そして、このように変動が激しく制御ができない太陽光発電は、電力供給側として問題の種となります。
3. 太陽光発電の理想と現実
理想的には、大容量の蓄電池で太陽光発電の制御を行うことが求められます。
ですが、現実的にはリチウムイオン電池の寿命が短く*1、そもそも高価であるため、コストパフォーマンスは最悪となります。
少し電力のことを知っていると、「揚水式水力発電*2」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。この発電方法は、夜間の余剰電力容量を使ってポンプで水を高地へ汲み上げ、昼間にはその水力で発電する方法です。つまり、現状としては位置エネルギーによる電力の保存方法のみが実用化されているのです。これを蓄電池で行うと会社が破産することになります。
いわゆる「再エネ主力化」という目標は、遠い遠い未来のことなのです。
4. 太陽光発電の使い道
さてさて、夢の太陽光発電ですが、電力インフラから切り離された状態だと物凄く頼りになります。例えば、洋上や宇宙などですね。これは発電に必要な最小体積、重量当たりの発電電力は高く、発電に燃料を使用しないからです。実際に、人工衛星の電源として太陽光パネルが使われています。
つまり現状、太陽光パネルとは優秀な部品なんです。
「発電」を主とするのではなく、「太陽光パネルで"なにか"を実現する」ということを主とする必要があります。
そして、本ブログでは、その"なにか"とは「省電力化」と提案し、次回に続きます。
5. 終わりに
本記事の説明は雑なので、興味や疑問を持ったら工学部の電気電子工学科がある大学に入学すると理解できるようになります。
↓は良い参考書
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政府の発行しているエネルギー白書*3も面白いですよ。
次回のPart.2は「太陽光パネルで電気料金は減るのか?」をやってみます。
できたらですけど。
できた!次回 => 太陽光発電で電気代削減、省エネできるのか? [太陽光発電シリーズ Part.2] - dendecdenの家